2009 年 2 月 3 日

フランス最高級ワイン生産にかかるコストは?ーその2

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1月30日の記事にも掲載したフランス高級ワインにかかるコスト。その内訳をより詳しく見てみよう。

1991年から2000年までの10年間で7回しか生産されておらず、1回当たりの生産本数が500万本のドン・ペリニョンは、モエ・シャンドン社で最も重要なワインだ。ブドウの作付面積は1,100ヘクタールに上る。1ヘクタール当たり8,800本のワインを生産でき、1本当たりのコストは2.3ユーロ(約260円)。シャンパーニュ地方にある1ヘクタールのブドウ畑は平均100万ユーロ(約1億1千万円)といわれており、50年の減価償却費は2.3ユーロ(約260円)である。これに醸造や瓶詰めにかかる費用(1本当たり2ユーロ)、熟成にかかる費用(ミレジマートの熟成期間は最低7年間)がかかり、1本あたりのコストは9.28ユーロ(約1,000円)となる。さらに管理費、販売経費、人件費(モエ・シャンドンの社員数は1,100人)などで1本当たり3ユーロ(約340円)が追加されるほか、毎回ドン・ペリニョンが発売される度にかかるマーケティング費用は2,500~5,000万ユーロ(約28億7千万~57億5千万)かかるため、1本あたり5~10ユーロ(約570~1,100円)が上乗せされる。最終的に、1本のドン・ペリニョンにかかるコストは17.28~22.28ユーロ(約1,980~2,500円)。エノテカでの販売価格は129ユーロ(約1万5千円)だ。税金を差し引いた純利益は1本あたり38ユーロ(約4,300円)で、生産本数500万本で計算すると純利益の総額は1億9千万ユーロ(約218億円)となる計算だ。

petrusシャトー・ペトリュスの場合、実売価格は1本450ユーロ(約5万円)。1年間で30,000本しか生産されず、シャトーのオーナーであるムエックス家のまさに貴重なダイヤモンドというべきワインである。ブドウの作付面積はわずか1.5ヘクタールで、ボルドーにある国立農学校によれば、1ヘクタールあたりに1年間でかかるコストは12,770ユーロ(約140万円)だという。しかし、ペトリュスのブドウ畑は非常に手入れが行き届いており、そのコストは確実に15,000ユーロは超えているとみられる。(ワイン1本あたり5,7ユーロのコストがかかる計算。)醸造と熟成にかかるコストは1本あたり4ユーロ(約460円)で、それに瓶詰めの高いコストがかかる。これはペトリュスが特別なボトルを使っており、また偽造を防ぐために透かしの入ったラベルを採用しているためで、これに8~10ユーロ(約920~1,150円)かかっている。これらすべてのコストを鑑みると、ワイン1本あたりにかかるコストは17.70~19.70ユーロ(約2,000~2,200円)になる。

さらに上記コストに管理費、販売経費(宣伝費含む)、人件費(シャトー・ペトリュスの社員数は120人)がかかる。これで、シャトー・ペトリュスのワインボトル1本あたりの総コストは30ユーロになるという。ムエックス家はシャトーのオーナーであるとともにネゴシャン(仲買人)でもあるため、ペトリュスの販売独占権を持っている。このことでシャトー・ペトリュスは、通常ネゴシャンにわたる20~30%を節約できる形だ。最終的に、エノテカの店頭に並ぶペトリュス2005の価格は4,500ユーロ(約51万円)となる。

ジョルジュ・ルーミエのケースを見てみると、ミュジニー・グラン・クリュ2006はわずか450本の生産で、エノテカでの価格は1本1,500ユーロ(約17万円)。これはワインの「レア度」にかかる値段と言ってもよいだろう。ジョルジュ・ルーミエがつくるこのワインをつくる畑の作付面積はわずか0.1ヘクタールで、1本あたりにかかるコストは5.5ユーロ(約630円)、これに熟成にかかる費用11.30ユーロ(約1,300円)と瓶詰めにかかる費用3.5ユーロ(約400円)、管理費、販売経費などに3.5ユーロ(約400円)がかかり、最終的な総コストは30ユーロ(約3,500円)となる。ちなみにミュジニー・グラン・クリュ1本の卸値は150ユーロ(約17,250円)である。

 

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