イタリアワインの海外輸出:関税で価格は10倍に。
イタリアのワイン関連ニュースサイトWineNewsが、イタリアでワインが生産されてから海外市場で商品として販売されるまでの価格についての分析を行った。これによると、イタリアの生産者から仕入れて海外で商品棚に並ぶまでの間に、価格が10倍にまで上昇するケースも見られた。このような状況では、消費者はイタリアワインの本当の意味での「クオリティプライス」を実感することができない。様々な工程でかかる税金や手数料は、いまだに続く経済不況の中、新世界ワインと競合していくうえでも、大きな問題として立ちはだかる。
最終的に商品を購入する消費者は、この価格の動きを知り得ることはなく、一度あるワインを「高い」と考えれば、その不満を直接ワインの生産者にむけることになる。こうなってしまうと生産者もまた被害者なのである。これはアメリカなど主要な市場はもちろん、新興市場である中国、東アジア、ブラジルなどでもいえることである。イタリアでの卸価格8ユーロのワインは、近年重要な市場に成長しているブラジルでは約45ユーロで販売されている。これは通常の販売にかかる手数料以外に従価税や輸入税のほか、輸入国によって様々な税金が課されているからである。
同様のことは中国市場にもあてはまる。輸入税は請求書で申告された額の40~60%にまで達し、これに輸送費や販売業者の手数料などが足される。イタリアで卸価格が5ユーロのワインは、北京や上海の店頭で25~30ユーロ以下で販売されることはまずない。またインドの場合、卸価格6ユーロのイタリアワインは、マハラーシュトラやゴア、バンガロールといった主要な州の店頭で54ユーロ以上で売られている。詳細にみると、150%が税関における関税、200%が物品税、9%が搬出・通関費、29%が管理保管費、12.5%がインポーター手数料、15%が小売業者の手数料である。最終的に売上にかかる税金をあわせると、販売価格は卸価格の実に10倍に達するのである。
アメリカでは各州ごとに販売にかかる税金や従価税が決められており、それらは特別高いわけではないが、輸入や流通のメカニズムによって違いが出てくる。例えばイタリアでの卸価格8ユーロのワインは、生産者から卸業者、卸業者からエノテカ(卸業者が輸入免許を持っている場合)という販売ルートをわたる間に価格は2~3倍となり、さらにここにインポーターが入ると、価格は3~4倍になる。
卸価格がそれぞれ8ユーロ、6ユーロ、5ユーロのワインは、イタリア国内での販売価格はそれぞれ15ユーロ、11ユーロ、9ユーロほどである。これらはVino Quotidiano(日常的に飲まれるワイン)よりも若干上のカテゴリーに入るワインで、全体でみれば中の下のレベルである。しかし海外市場へ行くとワインはどれも十分高価なものとなる。そしてワインの価格が消費者にわたるまでにどのように変わっていくのか、多くの場合生産者たちはその詳細を知らないのである。
Source : WineNews
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