2012 年 5 月 9 日

ワイン界最大の偽造疑惑事件、ブラッド・ピット主演で映画化

Filed under: その他 — vinovinovino.com @ 12:34 PM

The Billionaire's Vinegarトーマス・ジェファーソンが所有していたと言われるボトルをめぐっての事件について書かれた『The Billionaire’s Vinegar(邦題:世界一高いワイン「ジェファーソン・ボトル」の酔えない事情: 真贋をめぐる大騒動)』が、ブラッド・ピット主演で映画化されることがわかった。

1985年、ロンドンで開催されたクリスティーズのオークションで、トーマス・ジェファーソンが所有していたといわれる1787年のシャトー・ラフィットが出品され、フォーブス家が156,450米ドルで落札した。パリの隠しセラーからこのボトルを含む十数本の貴重なワインを発見したとされるのは、バンドマネージャーからワイン収集家へと転身したハーディ・ローデンストック氏だ。彼は非常に古い、貴重なワインを見つけてくるとして、業界では有名なディーラー。しかし、すぐにこのボトルに対する疑惑が広まっていった。ローデンストック氏はどこでこれらのボトルを見つけたのか正確な場所を明らかにしていない。もしかするとナチスの密輸品の一部か?彼の沈黙はさらに後ろ暗い秘密を隠すためか?ロンドン、チューリヒ、ミュンヘンなどの歴史をたどりながら、ベンジャミン・ウォレスは魅力的なワインの歴史や、ワイン生産地などを旅し、ワインの詳細な記述を残しているジェファーソンのフランス滞在などを、サスペンスに満ち、ウィットに富んだワクワクするような手法で読者に語りかけている。

2005年、フロリダの実業家でワイン収集家のウィリアム・コーク氏はこれらのボトルのうち数本を購入したが、その後偽造ワインを流通させたとして、ローデンストック氏とクリスティーズに対し訴訟を起こした。コーク氏は、そのワインの真贋を見極めるため、元FBI捜査官やロンドン警視庁捜査官、ワイン専門家、サザビーズの元ワイン販売担当David Molyneux-Berry氏のほか、核物理学者をも雇って調査を行った。

ワインを開栓せずに年代を推定する手法として、低周波ガンマ光線でセシウム137の有無を調べたところ、問題のボトルは1945年以前のものであることは証明された。しかしガラス専門家の調査で、ボトルに掘られたTh.Jの文字は、18世紀には存在しなかった電動工具もしくはフリキシブルシャフトを使って彫られたものであることがわかった。さらにヴァージニア州にあるトーマス・ジェファーソンの邸宅で現在は博物館・研究機関として利用されているモンティチェロは、ジェファーソンがワインボトルに自分のイニシャルを彫ったという歴史的証拠はどこにもないことを発表した。コーク氏の訴訟は現在控訴裁判所へ進んでいるという。

この映画のエンターテイメントとしての評価は別にして、見どころは有名生産者の歴史あるワインにまつわる不正が、収集家にどれだけ問題を引き起こしているかということや、選り抜きの億万長者らがたった1本のワインボトルに何千ドルもつぎ込んでいる事実を明らかにしている点だろう。

俳優ウィル・スミスが、ベンジャミン・ウォレスの本の権利を購入しプロデュースしているこの映画は現在制作中で、年内に公開予定。

Source : Decanter

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