2012 年 12 月 14 日

Wine Advocate誌に大きな改革の波

Filed under: 海外 — vinovinovino.com @ 12:18 PM
The Wine Advocate

The Wine Advocate (Photo credit: Wikipedia)

世界で最も力のあるワイン評論家として知られるロバート・パーカー氏が34年間に渡って発行してきたニュースレター『Wine Advocate』に大きな変更が加えられる。

パーカー氏は、同ニュースレターを長年に渡って印刷物として発行し、現在では世界で最も影響力のあるワイン関連誌の一つとなった。また広告を一切掲載せず、消費者の視点からワインを評価し、他のワイン誌とは一線を画す存在であった。しかし今後は段階的に印刷物としての発行を廃止する計画だ。さらに同誌編集長から身を引き、編集上の管理全般をシンガポール在住の特派員Lisa Perrotti-Brown氏に任せるとしている。

長年消費者の権利問題に携わってきたアメリカの弁護士で社会活動家のラルフ・ネイダー氏を自身のヒーローとし、度々彼に触発されてきたと述べていたパーカー氏は強硬な独立路線を貫いてきたが、今後はワインに関係しない広告については受け入れていく考えだ。

今回の動きの一つの要因としては、アジアのワインやその他の高級品消費が格段に上がっていることがあげられる。会社組織の本部はメリーランドにあるパーカー氏の自宅からほど近い場所にあるが、これもシンガポールに移す予定だ。

ワインを評価するというニッチな発行物にもかかわらず、Wine Advocateの登録者数は5万人に上る。年間75ドルを支払うと毎年6回発行されるニュースレターが届く。

パーカー氏は、これまで見逃されたり軽視されていたワインに対する市場をほとんど独力でつくりあげた。フランス、ローヌ地方南部にあるシャトーヌフ=デュ=パプなどは、彼が無名から国際的レベルへと変えたワイン生産地の一例だ。今日ボルドーの第一級ワインへの高価格は、パーカー氏の強い影響力を持つ評価とポイントによるものである。

パーカー氏は変化への機が熟した、と述べ「アジア市場は過去10年間で十分成長してきており、その市場に関わらないことは非現実的なことだ」と話した。彼は新しい投資家の名前を出すことは避けたが、投資家らを金融サービスやIT界の“若手の先見者”と言い表した。「彼らはワイン愛好家だが、またそこに大きなビジネスチャンスを見出している。」

今後パーカー氏は新会社の会長となり、今後もWine Advocateのボルドーとローヌ地域のワインレビューを続けていく。印刷物としての発行は2013年末までに終了する予定で、現在の登録者には、オンライン版に移行するため、特典を用意したいとしている。「おそらくKindleを提供できるのではないか」と彼は語る。

Wine Advocateの登録者のうち80%以上がアメリカ人だが、新たな投資家らは、航空会社や高級ホテルといった法人顧客へ向けた東南アジア版の発行も計画している。同誌はさらに、現在は初期段階にあるアジアのワイン産業に、より注目していくことになる。Perrotti-Brown氏は中国在住の新たな特派員を雇う予定だ。

「この特派員は中国やタイなどアジアで生産されるワインをカバーしていくことになります。そしてテイスティングイベントの開催、また新しいWine Advocateの発展に尽力してもらうことになります。」

Perrotti-Brown氏は、でオーストラリアとニュージーランドのワインのレビューを続けるほか、世界のワイン生産地から偉大なワインをレビューする『Icon Wines』という新しいセクションも担当する。

独立性を保つためにこれまで受け入れてこなかった広告を今後は受け入れていくと決めたことが今回のWine Advocateの最も大きな変化と言えるだろう。

Perrotti-Brown氏は「いずれはいくつかの広告を受け入れていくこともあると思いますが、それは全く利害の対立のないスポンサーのみに限られます。」と言及。例として高級時計やクレジットカード会社などを挙げ、ワイナリーやワイン関連企業の広告は扱わないとしている。

またWine Advocateのスタッフにも変更がある。これまでは契約で働く特派員だった人たちの多くが、フルタイムの被雇用者になる。「私たちはレビューの内容に対する監視を強めていきたいと考えています。」というPerrotti-Brown氏。この言葉には昨年、同誌のスペインと大西洋岸北西部担当レビュワーだったJay Miller氏の関連筋の人物が、ワイナリーから金銭を受け取っていたことから、Miller氏が担当を退いたことを示唆している。(しかしMiller氏は不正行為があったことについて断固として否定している。)

Perrotti-Brown氏は現在、Wine AdvocateのトップレビュワーであるAntonio Galloni氏を筆頭に、Davide Schildknecht氏、Mark Squires氏、Neal Martin氏と雇用条件について話し合いをしているという。Perrotti-Brown氏はパーカー氏とともに、彼らが被雇用者としての条件を受け入れてくれるよう望んでいるという。

Source : WSJ

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