現在所有するブドウ畑は7ヘクタール。さらに白トリュフの採れる3ヘクタールの森も所有している。アルト・モンフェッラートの丘陵に位置するこの土地の地質はおもに石灰質と砂質で、バルベーラ・ダスティの生産に非常に適している。険しい斜面にある畑では最高の気象条件が得られるが、その地形から機械を使うことができない。このため、ほとんどの作業を手作業で行わなければならず、栽培は非常に骨の折れる仕事である。しかし良好な気候と丁寧な手作業により育てられた木々が生み出すブドウの完成度は素晴らしく、バランスの取れた上質な仕上がりとなっている。また果実味、アルコール、酸味とタンニンのバランスが完璧にとれている。

こうして収穫されたブドウはそれぞれの土地の特徴を最大限に表現した素晴らしいワインへと生まれ変わる。ブドウは樹齢50年以上のものがほとんどで、中には110年を越すものもある。皆に親しんでほしいというワインづくりを行っている彼らのワインは、口に含んだ時の印象は控えめだ。しかし、その後じっくりと味わってみると、その完成度と奥深さがわかるだろう。

醸造から瓶詰めの過程では、人間の手で「強いる」のではなく、ブドウが果汁からワインに変わるまでの工程を果汁そのものが持つ自然の力を大事にしながら行っている。