ジャンニ（写真左）とブルーノ

ワイナリー『レ・プレージ』は、ワインづくりへの情熱からブルーノ・ファッブリがカステルヌオーヴォ・デッラバーテの地で1970年に創業した小さなワイナリーだ。大地との絆とモンタルチーノの伝統がワイナリーの中核である。1998年からは、ブルーノの息子ジャンニが父と同じ、伝統的な考えと情熱を受け継ぎ、ワイナリーを営んでいる。『レ・プレージ』という名前は、昔モンタルチーノの地でブドウ栽培を可能にするために長い月日を要して地元の人々が作り上げた畑のことをこう呼んでいたことからつけられた。

高い品質のブドウを追求している彼らは、オーガニック農法でブドウを栽培しており、その収穫量も非常に低い。こうしてつくられたブドウは、すべて手作業で収穫される。彼らの所有する畑は1970年にブルーノがつくったブドウ畑『フォッソ』と1998年にジャンニがつくったブドウ畑『ピアッジェ』。総面積は3.5ヘクタールで、南東向きの素晴らしい場所に位置している。

父ブルーノの的確な助言と、息子ジャンニの注意深い手作業でつくられる彼らのブドウは、最近新築された新しいカンティーナで醸造されるが、オーク樽での熟成は昔からある古いカンティーナで行っている。この醸造と熟成のコンビネーションは、モンタルチーノ地区ではレ・プレージでしか行われていない。彼らのワインづくりにかける情熱が、レ・プレージのブルネッロ・ディ・モンタルチーノに他では真似することのできない「魂」を吹き込んでいる。

伝統的な長期間のマセラシオンと大樽熟成されるワインは、口にふくんだとき、最初に受けるインパクトは少ないかもしれない。しかし、じっくりと味わうことによってその素晴らしさを堪能できる奥深いワインなのである。レ・プレージはイタリアでもほとんど知られていないワイナリーで、生産本数も限られている。しかし彼らの品質へのこだわりに制限はない。

僕は素朴な人たち、敬意とは何か、汗とは何かを知っている人たちと一緒にいることが好きだ。
挨拶を交わし、手を力強く握る人々。視線を交わすだけで理解し、それを続けていく人々。
僕のワインは昔ながらのものであって、古いワインじゃない。
最新の技術は助けにはなるが、物事を変えるためのうまい言い訳にはならない。
僕はサンジョヴェーゼ・グロッソしか知らない。
バリックがどういうものかは知らないし、興味もない。
昼間は空を見上げて、僕の大地に触れながら夢を見る。夜は疲れて眠るだけだ。
僕の疲れは原料であり、そして報酬なんだ。水も太陽も恐れるに足りない。
どちらも僕のブドウに命を、僕のワインに特徴を与えてくれるものなんだ。