ダミヤン・ポドヴェルシッチ

ダミヤンは特徴的なテロワールとミクロクリマで知られるコッリオの地に8ヘクタールの土地を所有し、2ヘクタールの土地を借り入れている。自分の土地に余計な手を加えることなく自然な状態を保つため、活性剤、防虫剤、除草剤、駆虫剤、その他の化学物質は一切使わない。彼の目標は、受け継がれてきた知識と、栽培における自然のサイクルを守り、有機肥料と自然の物質でつくる調合剤をつかいながら、土壌の特徴を活かしつつ、元のままの自然な土壌を保つことである。

醸造には、フリウリの偉大なブドウ栽培者ヨスコ・グラヴナーの技術を取り入れたが、数年前まで彼の醸造哲学は同僚に受けいれられなかった。しかし彼自身の哲学への冷静さ、粘り強さ、確信が実を結び、今確実に自分自身のワイン造りへの道を歩んでいる。

ブドウの収穫には型どおりの方法は行わない。ブドウの状態を厳しく観察し、ブドウが金色に変わり、適した時期だと“感じる”ときに収穫を行う。ブドウの豊かさはそのまま、ブドウの品質へと直結している。醸造には、6年以上経った株から採れるブドウをつかう。収穫、除梗後、ブドウをつぶし2ヶ月間マセラシオンを行う。この長いマセラシオンが、ブドウから最良の成分を引き出すことを可能にする。モストの発酵後、樽の中でおよそ24カ月熟成を行う。ワインは濾過することなく瓶詰めされるため、グラスに注いだ時、若干にごりがかった黄金色に気付くだろう。

ダミヤンはこう語る。
『ポイントや受賞結果ではなく、ワインそのものの品質で私のワインを知ってほしい。私のつくるワインは私の魂だ。情熱無くして偉大なワインをつくることはできない。』

その情熱と素朴さで、ダミヤンは3つの偉大なワインを生み出した。「50年もつワインを造る」というワインは抜詮後、バキュームせずに2週間放っておいてもフレッシュさを保っているのも納得させられる。